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睡眠薬を飲んだら認知症になるか

ある雑誌に、
ゾルピデムという睡眠薬飲むと認知症のリスクが高まる
という記事が出ていたとネットで話題になってました。

睡眠薬の件をお話ししたことがあるのですが、
睡眠薬を飲む人は、全く飲まないで寝られる人に比べて認知症のリスクが高まるというのは残念ながら事実です。

特にベンゾジアゼピン系と言われる。薬が脳のゴミであるアミロイドβやタウタンパクを掃除するグリア細胞の活動を阻害したりするからです。

ですが、それは睡眠薬を飲まないでぐっすり眠れる人に比べてという意味です。

睡眠薬を飲むのが嫌だからと言って、睡眠薬を飲まず、睡眠時間が3時間だったり、夜中に何回も起きてしまうような眠りであれば、逆にそちらの方が認知症のリスクが高くなります。
不眠になると、脳のグリア細胞が働かず、脳内がゴミだらけになってしまいます。
不眠こそが、認知症を引き起こすリスクなのです。

私は精神科医として、しばしば睡眠薬を不眠の患者さんに出します。

まずは、睡眠衛生を改善するように指導します。ですが、それでも寝られない場合、
安全性の高い睡眠薬を出し、それでも寝られない時は、ベンゾジアゼピン系の薬も出します。

それは寝られないよりマシだからです。

睡眠薬が怖くて全然寝られないと言うのであれば、素直に睡眠薬をしっかり飲んでぐっすり寝た方が、不眠で悶々するよりよっぽどマシと言うのが結論です。