漢方薬について話をすると、漢方薬を飲む時の問題が出てきます。それは、味の問題です。
漢方は、もともと刻んだ生薬を煎じて飲むのが基本です。ただ、江戸時代などは、当帰芍薬散のように粉にした生薬を散剤として飲むのを基本としていました。いずれにしても、舌に漢方薬が直接触れると、その独特な味や風味が感じられることでしょう。
科学の発展は、生薬を煎じたものをエキス化したり、それを錠剤化したりすることに成功しました。それはそれですばらしいことです。
では、漢方薬を飲むのに、エキス顆粒(細粒)がいいのか、錠剤がいいのかという問題ですが、どちらも一長一短があります。
エキス顆粒(細粒)
【長所】⓵さっと口に入れて水で流し込めること。⓶エキス製剤をインスタントコーヒーのようにお湯で溶かして、せんじ薬のように飲めること。
【短所】⓵口の中で広がるため、その感触がいやだったり、独特な味を舌で感じ取ってしまうこと。⓶特に顆粒は乳糖でコーティング
してあるため、乳製品で下痢する人には向かない。
錠剤
【長所】⓵エキスを錠剤として固めているため、味をそこまで感じにくく、味として飲むのに抵抗感がない。
【短所】⓵エキスを錠剤として固めるために、添加物がたくさん含まれていること。⓶有効な量を摂取するには、錠剤の数が多すぎて飲みにくいこと(一日18錠とか、27錠飲まないといけない製剤もある)。
私は、上記の長所と短所を考えて、エキス剤をお勧めしています。どうしても、味が苦手な人は錠剤でもいいとは思いますが。