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精神科訪問看護師さんにも心理検査を受け持ってもらいたい

 2月に、広島の精神科訪問看護ステーションで社員教育を引き受けることになっています。そのための準備で、スライド作りに勤しんでいる昨今です。

 その中で、「精神科訪問看護師さんにも心理検査の一翼を担ってもらいたい」ということを伝える予定です。

というのも、世の中にもっと心理検査を普及したいと思っているからです。

 

 自分が勤務する精神科クリニックでは、在宅の訪問診療をしていますが、基本的に来院できない方たちばかりです。

クリニックに来院されれば、私や来てもらっている臨床心理士さんにお願いして、心理検査をすることができますが、自宅から出れない人たちは詳しい心理検査ができないことが多いです。

 本当は、そういう人たちだからこそ心理査定をして、どういう心理状態なのか、どのような精神状態なのかを知りたいわけです。

そうすることができれば、より最適な治療を患者さんに呈示することができます。

 

 今回、提案するのはバウムテストというものです。紙に木を書いてもらう心理検査で、鉛筆と紙さえあれば施行できるので、精神科訪問看護にはうってつけです。

 

 1枚だけ描いてもらう一枚法、3枚描いてもらう三枚法がありますが、私が勧めているのは三枚法です。

一枚法はコッホという心理学者が開発し、それを応用したのがカスティーラという心理学者です。一般的には、一枚法の方がメジャーですが、一枚法が心のレントゲン写真なら、三枚法が心のCT写真と言われるほど情報量が違います

 レントゲンではわからないけども、CTなら難なくわかることがあるように、三枚法はロールシャッハ・テストに勝るとも劣らない魅力があります。

 三枚法は、見るべき項目が数百ポイントあります。大変ではありますが、そこまで詳細に見ていけば、患者の深い心の状態について、いろんなことがわかるのです。

 

 今回の講義では、実際に訪問看護師さんに検査を担当してもらい、それを私が分析したというコラボレーションの症例呈示をしながら、解説したいと思います。