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発達障がいのある子供を診るために必要なもの

 なぜか縁あって、某市区町村の教育委員会から「教育支援委員」に選ばれ、発達障がいがある子供が普通学級で学ぶのがいいのか、支援学級あるいは支援学校で学ぶのがを判定する委員として活動もしています。

 思春期を診ている精神科専門医の立場から色々教えてほしいということで、委員に入ってます。

 

 ただ、私自身、児童・学童は自分のクリニックでは診ていません。

 能力的に診れないのではありませんよ。児童・学童の子供を診ようと思うと、特に初診ですが、子供たちの発達や精神の状態を把握するのに心理検査を行う必要があります。その心理検査はその多くが児童・学童用であるため、改めて心理検査を買わなければなりません。1つの検査で数万~数十万するなど高価で、それを何点も買わないといけないのと、大人の人で予約がいっぱいなのに、児童・学童を診る余裕がないというのが正直なところです。

 

 今、巷では児童精神科医が足らなくて、受診を希望している新規の患者さんが3か月~半年待ちとか、酷いところは1-2年待ちなんてところもあるみたいです。

 これは小児科にも言えることですが、子供は手がかかります。処置をしようとしたら、「いやだ~」と泣き叫んで暴れたりするので、なだめたり、機嫌を取ったりする必要があったりして、大人の様に素直に従ってくれる人ばかりではないからです。

 それだけ手がかかるわけなので、小児科や児童精神科にはもっと手厚い診療報酬をつけるべきです。

 子供の治療や療育は、開始が早ければ早いほどいいに越したことがありませんから。