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認知行動療法の弱点とポテンシャル

まず「認知行動療法にも弱点がある」。そのことについて語っていきましょう。

お前に、それを語る資格があるのか・・・といわれると自信がないですが。ただ、厚生労働省の認知行動療法ワークショップを受けた後、症例のスーパービジョンを受けて修了しているので、最低限の知識と認知行動療法の良さと課題もわかっているつもりです。

 

 認知行動療法は意識に今、浮かんでくる自動思考その時に感じる感情それによって引き起こされる行動・・・
 いわゆる「here & now」を重視し、いまある意識にある思考(認知)を変えることで、感情や身体感覚が変わることで気持ちを楽にしていくことを目指す治療だと言えます。
 
 とても素晴らしい治療法で、現在はこの認知行動療法が心理療法の中心となっていますが、あくまでも取り扱うのが意識の中にある思考(認知)であるため、
「頭ではわかっているけど・・・」
と無意識レベルでのアプローチが必要な人には効果が不十分だったりして、残念ながら万能ではありません(それを補うのが、第三世代と呼ばれるマインドフルネスなのです)。

 

 そのマインドフルネスは瞑想がベースになっていて、瞑想そのものが類催眠状態という催眠に近い状態に自分を落とし込んで自分をありのままに見つめていく治療となっています。

 つまり、思考(認知)が自分でコントロールができない場合は、催眠(あるいは催眠に近い状態)を活用しながら無意識をターゲットにしていく必要があります。そして、それが効果を発揮するのです。

 そういう意味では、認知行動療法もいろんな技法を吸収して大きくなっている、ある意味、どんな患者にも対応できるような万能を目指しているようなところもあります。今は、催眠が認知行動療法を取り込んでいますが、そのうち、認知行動療法の中に催眠が取り込まれていくことになるかもしれません。それが、認知行動療法のポテンシャルですかね。