前回のブログで、催眠認知行動療法の話をしたので、認知行動療法と催眠をどう融合していくか、について語っていきましょう。
その前に、「認知行動療法とはなんぞや?」と思われた方もいらっしゃると思うので、取り上げておきます。
このブログを見にきていらっしゃる方の中には、心の病気を患っている方、あるいは、患ったことがある方もいらっしゃるでしょう。
絶対に、当事者でないとわからない苦しみ。そういったものがきっとあるはずです。
心の病があると、どうしても思考がネガティブになります。例えば、
「もう自分はダメだ」
「こんなの意味ない」
「やってもムダ」
こういった、いわゆる自分の中から自然に湧いてくる思考を自動思考と言います。この自動思考は、思考の幅が狭くなったり、歪んだ形で浮かび上がってくるのが特徴です。
認知行動療法は、Aaron Beck(アーロン・ベック)と呼ばれるアメリカの精神科医が基礎を作った心理療法です。
人間の精神を構成する要素として、思考、感情、感覚、情動、記憶、知能・・・などさまざまな要素がありますが、普段我々が意識するのが、思考と感情と感覚なので、意識しやすいこの3つを取り上げて(意識しやすいものの方が扱いやすい)、
❶心がしんどくなった時に浮かんでくる狭く歪んだ思考(認知)
❷怒りや悲しみなどのネガティブな感情
❸その思考や感情に伴って生じる行動
について、構造化された治療システムに乗っ取り、思考・感情・行動の3つを取り上げて、意識的に修正していくというものです。特に、思考(認知)を変えることで、感情や行動も変えるようにしていく手法が取られます。
※ただし、認知行動療法には、世代があって、今話をしているのが第二世代と呼ばれるものです。
次回は、「認知行動療法の弱点」についてお話します。